2012年02月27日

読売旅行・富士山篇 1

なんと、あの、読売旅行にとうとう参加してしまった。足腰の弱り始めた老人たちを集め、トイレ付きのバスに乗せて旅行に連れていってくれるという、あれである。
私の中で、読売旅行はドモホルンリンクルと同じくらいの禁じ手だったし、はぐれ猿を自称している手前、旗振りのバスガイドさんに付いて団体で歩くなんて絶対にあり得ない。そう思ってバカにしていたのだが…。
河口湖への一泊旅行で19800円という安さと、雪道の運転に自信がないこと、相棒が母親、などの理由で「もうこれでええわ」と安易に手を出してしまった、という経緯である。

集合は早朝の駅裏、コンビニ前。いかにもな老人たち(60〜80代)が群れていて「ああ、やっぱりこんな感じなんや…」と一瞬どよんとしたのだが、近くに立って彼ら、彼女らの見てくれや会話を観察していると何だか興味がわいてきた。
最近、年寄りにえらい目にあわされることが続き、「社会における老害」に関心があったので、この機会にいろいろ学ぶのも悪くない。
バス到着まではまだ10分ほどあったので、缶コーヒーを買おうとコンビニへ入ると、ここにも、かばんを斜めがけにした初老の男性(和歌山弁では、おいやん)や、ラメ入りの帽子をかぶった初老の女性(こちらは普通に、おばちゃん)が、店内をうろついている。私も売り場をぐるっとまわって、都こんぶを購入。今回のバス旅行にぴったりのアイテムで、気分がやや盛り上がる。

母と合流してバスに着席。ラメ入り帽子のおばちゃんもやっぱり乗ってきた。添乗員さんは、20代半ばぐらいの男の子だ。新卒で入って2年目というところだろうか、ちょっと肥満で愛らしい。走り出したバスの中でマイクを握り「危ないので着席してください、着席してくださぁい」と何度も何度も弱々しくお願いするものの、年寄りはまったく耳を貸さずにうろつく。友達にお菓子を分けに行ったり、荷物を棚にあげたり、おろしたり、身勝手な御振る舞いだ。長生きしているからすぐれた人格になる、なんてことはない。年長者だというだけで甘やかしてはいけないのだ。
「河口湖まで立っとったらええやん」と私がぼそっと言うと、通路をはさんで隣のおいやんが「そやっ」と力強くうなづいた。良識あるお年寄りもいるのねと思いながら、都こんぶをしゃぶる。意外とおいしい。

バスガイドさんも50代半ばぐらいの和歌山のおばちゃんで、この方がえんえんしゃべってくれるので、まあなんていうか、京唄子と旅行してるみたいなもんである。それでもさすがに年の功。ずいぶんと勉強されているし、経験も豊富なのでためになるお話も多い。まだ若い私(この中では)が、平日に年寄りとバス旅行しているのに、ガイドさんは早朝から働いておられる。若い頃からずっとこの道で自立してこられたのだろうと思うと、尊敬せずにはいれらない。それに比べてわたくしは…と恥じ入りつつ、うつむいて都こんぶをぼそぼそ食べていたら「あんた、口のまわりに粉ついちゃぁるで」と母に脇腹をつつかれた。堕落の極みだ。




posted by きたうらまさこ at 22:31| 旅のおはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

永遠の水玉、一夜の大黒

バレンタインの日、傘をさして大阪へ行ってきた。
目指すは国立国際美術館、草間彌生の「永遠の永遠の永遠」。
入り口で友人と合流し、いざ水玉の宇宙へ。

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私の文章力で草間彌生は書けんが、彼女の絵を観ていると、おでこが痛くなってくる。
チャクラが開くのかと思った。
「アートとはこういうもんよ」と、言葉じゃなくて作品で突きつけられる凄まじさ。もうね、作品がすべてよ。
だいたいアートなんて語られてもよくわからん。

LEDとミラーを使った「魂の灯」という作品は、閉ざされた小さな部屋の中で鑑賞する。
万華鏡の中に放り込まれたような、幽体離脱した世界のような。
部屋にいる時間は30秒。行列が長い時だと10秒で入れ替わるそうだ。
私の時はたまたま、1人で入れるという幸運に恵まれた。なんという贅沢。
キラキラうごめく光の中で呆然と立ちつくすこと30秒。

その日はカップルもよく見かけたけれど、やはり女性が多かったような気がする。
草間作品は女性たちが内包する狂気と共振するのかも。
封印を解いたら私は何が出てくるのかなとふと思った。水玉じゃないと思うけど、危ない危ない。
いや、意外と可愛いものが出てきて拍子抜けしたりして…。わからんね。


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帰りは福島駅まで歩いて、駅の近くで一杯。
偶然見つけた居酒屋、「大黒」のカウンターは居心地よろしくて5時から9時まで。
安くて旨くて、適度に愛想がなくて、「ええ店見つけたねぇ」とよろこんだ。
久しぶりに会った友人とは、「泣いた」とか「情けない」とかって話もいろいろ。
でも最後はとってもハッピーな話題で終わって、ふわふわしながら解散した。
何はともあれ、愛はとこしえ。


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posted by きたうらまさこ at 14:26| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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